長かった冬も終わり、暖かな春がやってきました。3月に入ると、雑草・野草も元気に芽吹き出します。
足元をよーく見てみると、雑草といえどもキレイな花を咲かせる雑草・野草が多数!「この植物は何という名前だっけ?」と疑問を持った方に向けて、空き地や河川敷など開けた場所でよく見られる、いくつかの春の雑草・野草の名前と生態をご紹介します!
ピンク・紫色の花を咲かせる春の雑草・野草
ピンクや紫色の花を咲かせる雑草をご紹介していきます。
ピンクの小花をたくさん咲かせる「ホトケノザ」
ピンク色の小花を咲かせるホトケノザ(シソ科)も、春になるとよく見かける雑草です。満開の時は結構キレイだと思い、ついつい見とれてしまいます。
ホトケノザの花は、「唇形花」と呼ばれる花。花の先っぽが2つに分かれていて、上下の唇のように見えることからこう呼ばれています。なお、唇形花を付ける植物は、全てシソ科です。ミントなどもシソ科なので、これに当てはまります。
葉もピンク色の「ヒメオドリコソウ」
ホトケノザと混同されることも多い、ヒメオドリコソウ(シソ科)。花が似ていて、同じ場所に生育していることが多いため、見分けがつきづらいですよね。
よく見ると、ホトケノザとは葉の形が違います。ホトケノザの葉は、丸くフチがギザギザと鋸葉状になっていますが、ヒメオドリコソウの葉は、スペード形をしています。また、写真のようにピンクがかった色味をした葉が多いのも、ヒメオドリコソウの特徴です。
ホトケノザとヒメオドリコソウの違いや見分け方など、詳しくはこちらの記事にまとめています。パッと見分けられたら、モテること間違いなし!?(そんなわけはない)
フェンスに絡まっていること多数!「カラスノエンドウ」
カラスノエンドウ(烏野豌豆)は、舗道脇のフェンスの根元などに生えていることが多い、マメ科の雑草。学術的には、ヤハズエンドウまたはヤハズノエンドウと呼ばれますが、カラスノエンドウの方が一般的です。
巻きひげ状のツルを伸ばして大きくなっていくので、フェンスにしっかりと絡みついているカラスノエンドウをよく見かけます。
そのため、大きくなってしまうと完全に取り去るのにかなり苦労します…。草が生えて困る場所なら、小さなうちに抜いておくしかないですね。
そんな厄介な生態を持つカラスノエンドウですが、花が美しいんです!マメ科に多い「蝶形花」で、外側の旗弁と呼ばれる花びらが薄ピンク、内側の側弁と呼ばれる花びらが濃ピンクをしています。
2色のピンクがグラデーションになっている様子が、なんとも可憐…。通常、葉の根元に2つずつ花が付きます。満開の時は花がかなり目立つので、道端でも発見しやすいですよ。
花は1日限りのはかない命「ユウゲショウ」
アカバナ科のユウゲショウ(夕化粧)は、4月~秋にかけて鮮やかなピンクの花を咲かせる雑草です。
名前のイメージで夕方に咲く花だと思われがちですが、実は花が開くのは早朝。夕方になるとしぼんでしまいます。1日だけ咲く「1日花」です。
ユウゲショウはもともと、明治時代に観賞用として輸入されたものが雑草化しました。
もとは観賞用だったというだけあって、直径1㎝ほどの花はよく見るとかわいいです。茎が赤紫色をしているのも何だかオシャレですよね。
夕化粧という可憐な名前とは裏腹に、ブロックの間から逞しく咲いています。
カタバミなのに園芸品種としても販売される「イモカタバミ」
多くの人を悩ませる雑草「カタバミ」の仲間、「イモカタバミ」はピンクの花が目印です。
花がきれいなことから、雑草なのに園芸用として販売されていたりもします。私も子供のころ、近所の空き地で増殖していたイモカタバミを拝借して、庭に移植して育てていました。
イモカタバミという名前の通り、根っこが塊茎(芋状)です。サトイモみたいな感じ。
イモカタバミの一般的な開花期間は4~10月と長いですが、春が一番キレイに咲いている印象なので、春の野草・雑草に加えてみました。写真は4月中旬に見かけたイモカタバミです。
キレイだけど有毒なので注意!「ムラサキケマン」
ムラサキケマン(紫華鬘)は、ケシ科の雑草で日陰でよく見かけます。ドクダミが好んで生えるような場所に多いイメージです。こちらの写真のムラサキケマンの横にもドクダミが生えていますね。
4~5月に紫色の花を咲かせますが、実はこのムラサキケマンは「プロトピン」というアルカロイド系の毒を含んでいます。キレイな花が咲いている!と思って、安易に手に取らないよう要注意ですね。
誤って口にすると、嘔吐・呼吸困難・心臓麻痺などを引き起こしてしまう恐ろしい草です…。
花の色形が、ホトケノザやヒメオドリコソウにやや似ていますが、葉の形が全く違うので見分けられます。
黄色・オレンジ色の花を咲かせる春の雑草・野草
黄色やオレンジ色の花を咲かせる雑草をご紹介していきます。
黄色い花と綿毛が特徴「ノゲシ」
キク科の雑草ノゲシは、タンポポに似た黄色い花を春に咲かせます。花の直径は1~2㎝ほどと、タンポポと比べると小さめ。
反対に、株全体の背は高く、大きい物では1m近くにもなるんです。
近縁種に、オニノゲシがあります。見た目がとっても似ているので、この写真ももしかしたらオニノゲシかもしれない(笑)…。
両者を見分けるには、葉を見ます。オニノゲシの葉は、光沢があってフチがトゲトゲしています。ノゲシの葉は、トゲがほとんど目立ちません。
しかしながら、ノゲシとオニノゲシ、どっちつかずの中間タイプもあるようなので、両者に明確な違いはないといってもいいでしょう。
白い花のノゲシも見たことがあります。ヒメジョオンやハルジョオンとの雑種かなあ?
フワフワした綿毛が、ノゲシの特徴です。
黄花ノゲシ・白花ノゲシが隣り合って仲良く生えていました。
雑草界のポピー「ナガミヒナゲシ」
4~6月にかけて、道端や空き地でよく見かけるオレンジ色の花は、ケシ科のナガミヒナゲシです。
切り花や鉢花として人気の高い、ポピーの仲間です。
ナガミヒナゲシも、もともと園芸用として持ち込まれたものでしたが、野生化して大量繁殖しました。種子の数が多く繁殖力がハンパないため、周りの植物を駆逐していきます…。
とはいえ、花がかわいいので何だか憎めない存在だったりします。イエローが混じったような微妙なオレンジ色が、個人的にはめちゃ好きです。
金平糖のような黄色い花!「コメツブウマゴヤシ」
コメツブウマゴヤシは、黄色い金平糖のような花がかわいいマメ科の雑草。空き地などでよく見かけ、シロツメクサが生えているような場所で発見しやすい気がします。
地面を這うように広がっていく植物なので、遠目にはあまり目立ちません。足元をじっくり観察すると発見できるかもしれませんよ!
コメツブツメクサやクスダマツメクサと姿形がよく似ています。コメツブウマゴヤシは、花の大きさが最も小ぶりです。
青い花を咲かせる春の雑草・野草
青い花を咲かせる雑草をご紹介していきます。
青い小花がいっぱい!「オオイヌノフグリ」
オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)です。2~5月に青く小さな花を咲かせます。
オオイヌノフグリは、秋に芽を出して越冬し2月ごろから徐々に咲き出します。どこでもよく見かけるので日本原産の植物にも思えますが、実は明治時代中期に渡来した帰化植物です。
花弁は4つ。こうしてみると、国営ひたち海浜公園がきっかけでブームとなった、ネモフィラに少し似ていると思いませんか?ネモフィラほどの華やかさはありませんが、地面一面に咲き誇っていると、遠くから見てもけっこうキレイです。
白い花を咲かせる春の雑草・野草
白い花を咲かせる雑草をご紹介していきます。
ペンペングサとも呼ばれる「ナズナ」
春の七草として知られるナズナ(アブラナ科)も、2~5月に白く小さな集合花を咲かせます。七草として食べられるのは、花ではなくてロゼット状態の葉です。
ナズナは、ペンペングサとも呼ばれていて、子供のころはこちらの呼び名で親しんでいた方も多いのではないでしょうか?葉が付いた茎をくるくる回すと「ペンペン」という音が鳴ります。
クローバーの白い花「シロツメクサ」
子どもの頃に親しんだ方も多いであろう、シロツメクサ。シロツメクサが咲き出すのも4月ごろからです。
雑草でありながら、ドライフラワーにしたり花冠を作ったりと、活用しやすいお花です。
シロツメクサという名前は、江戸時代の輸入品にシロツメクサの枯れ花が詰められていたことが由来なのだとか!ツメクサ=詰め草ということですね。
雑草の花が告げる春の訪れ
2~5月に見ることができる天然の花園!この光景を見ると、春がやってきたなと実感します。
今回ご紹介した雑草・野草は、花期がほぼ同じなので、このように一緒に咲いている様子も良く見られますよ。
こちらの野外観察ハンドブックに、当記事で紹介した雑草・野草が全てのっています。写真が豊富で解説もわかりやすく、おすすめですよ!