秋冬から春にかけて、たくさんの花を咲かせてくれるパンジー・ビオラ。花が咲き終わると、種ができます。この種を採取して、来年は種まきからパンジー・ビオラを育ててみませんか?
今回は、パンジー・ビオラの種の取り方を写真付きで解説!見きわめるのが難しい、種を取るベストなタイミング・種の保存方法もご紹介します。
パンジー・ビオラの種はどうやってできる?
パンジー・ビオラの種は、花が咲いたあとにできる実の中につまっています。
こちらがビオラの種が入った実です。ぷっくりとした緑色の実で、アンテナのような雌しべが付いていますね。パンジーも同様に実ができます。
パンジー・ビオラの種ができるのは、ガクの根元の部分です。花が枯れていくにつれて、ガクの根元にある子房がふっくらと大きくなってくるんです。
枯れた花を摘み取ろうとガクの部分を触ると、手に硬いものが触れて「種ができてる!」とわかります。
なお、全ての花に実ができるわけではありません。結実しやすい株と、そうでない株があります。
訪花昆虫が多い環境・時期だと種ができやすい
ビオラの受粉は、ハチや蝶々などの訪花昆虫によって行われることが多いです。
昆虫がたくさん寄ってくる環境だと、よく種ができます。なかなか種ができない時は、パンジー・ビオラの周りに、ハチなどの昆虫が好むお花を置いておくといいかもしれませんね。
ハボタンとビオラの寄せ植え。真冬に撮った写真なので、まだハボタンの花は咲いていませんが、春になって開花すると、そこにたくさん昆虫が集まってきていました。
虫がたくさん寄ってくるハボタンと一緒に植えたビオラは、特に種ができやすかった気がします。
パンジー・ビオラの種を取る時期
それでは、パンジー・ビオラの種は、いつ取ることができるのでしょうか?
結論からいうと、花が咲いている期間ならいつでも種を取ることができます(笑)ビオラ・パンジーの花期は、10月~6月とかなり長いです。
ですが、私が種を取るのにおすすめする時期は、花が終わりかける4月~5月!
パンジー・ビオラを育てる目的は、花を楽しむためという方がほとんどだと思います。
もっともパンジー・ビオラが元気な冬~早春は、種取りではなく、花をきれいに咲かせることに集中するのがおすすめ。株が弱ってきた春に、種を作って採取すれば大丈夫です◎
花を楽しむ冬~早春に枯れた花を見つけたら、種を作らせないようにガクごと摘み取っておきましょう。
花をモリモリ咲かせるコツは、こちらの記事にまとめてみました。
受粉してくれる昆虫も春になると活発に動きだすので、暖かくなってからの方が、種ができる確率がグッと高くなるように思えます。真冬は昆虫が活動しないので、種ができづらいです。
パンジー・ビオラの花は、いつごろまできれいな状態を楽しめるのか、処分の目安などはこちらの記事でご紹介しています。
ふくらんだ子房(実)を見つけたら、周りの花びらは取っておく
種が入った実は、花がしおれると共に成熟していきます。
ふくらんだ実を見つけたら、摘み取らずそのままにして、種が成熟するのを待ってあげてください。
しかしながら、実の周りについた花びらをそのままにしておくと、カビや病害虫発生の原因になってしまいます。
パンジー・ビオラの花びらは、軽い力で引っ張れば簡単に取り除けます。その際、実ごと取れてしまわないように、ガクの根元を軽く抑えておきましょう。
種ができた!採取のタイミングは?
無事に種ができたら、さっそく採取といきたいところ。どのタイミングでとったらよいのでしょう?
ベストなのは、写真のように子房のサヤが開いた状態の時。元気な茶色の種が、ギッシリ詰まっていますね♪
種が熟すと、このように実がぱかっと3つに開きます。種がパーンパーンとはじけ飛ぶので、実ごと採取して袋やティッシュに包んでおきましょう。
この開いた状態を放っておくと、間もなく種がどこか遠くに飛んでいってしまいます…。それも、開いてからたった数時間で(泣)。
こんな感じに…。
常にビオラを見張っておける人でないと、ベストタイミングで種を採取するのは難しいです。しかも、サヤが開くのは午前中~昼が多いので、お仕事や学校がある日は無理ですよね。
なので、私は確実に種を取りたい時、「もうすぐサヤが開きそう!」という状態のうちに実を取っておいて、封筒や袋などに入れてそのなかで種を弾けさせます。
そうすれば、取り逃してしまう失敗がありません。
種が熟した状態とは?雌しべに注目
それでは、もうすぐサヤが開きそうな状態はどうやって見きわめればいいのでしょうか?
本やインターネットでは、種が熟してきたサインを「下を向いていた子房が上向きになったとき」と書いてあります。
しかし、それを信じて上向きになった子房を採取したら、中が未熟な白い種ばっかり!どう見ても早すぎでした。
種が熟してきたら子房は徐々に上向きになりますが、すぐに取っていいというものではないよう。素人には見きわめが難しかったです…。
そこで、私が発見したもっとわかりやすいサインは、「子房についた雌しべが枯れたor取れた」です!これだと見分けやすいです。
子房の先端には、アンテナのような形の雌しべが付いていますが、まだ種が未熟なうちは青々としていて元気です。
そろそろ種が成熟したよ…というタイミングで、雌しべが枯れるか自然にポロっと取れます。
加えて、実やガクが黄色・茶色っぽくなってきたら、サヤが弾ける寸前といってもいいでしょう。
この状態になった子房を採取しておけば、しっかり熟した種をゲットできますよ!
パンジー・ビオラの種の保存方法
取った種は、紙製の封筒や袋に入れてしばし乾燥させておきます。
封筒・袋は家にあるものでもなんでも大丈夫。すき間から種がこぼれてしまうようなものだけは、避けましょう。
私はたくさん種を取るので、ダイソーで買ったクラフト封筒(120枚入り)を使っています!
封筒を半分にカットすると、種入れにちょうどいい大きさになるんです。口を2~3回折りたたんでおけば、種がこぼれることはありません。
品種が混ざらないよう、封筒に「種を取った日・品種名(花色でもOK)」を書いておくとわかりやすいですよ。
種の置き場所については、そんなに神経質にならなくてもいいと思いますが、なるべく風通しがよく直射日光の当たらない場所に置くと二重丸です。
おおよそ、10日~2週間くらい封筒ごと自然乾燥させ、タッパーなど密閉できる容器に入れて冷蔵庫で保管します。
できればタッパーは密閉性の高いものが理想で、シリカゲルも一緒に入れておけば満点です!
また来年花を見せてね!種まきは夏以後に
パンジー・ビオラの種をまくのは、夏が終わる8月後半~10月ごろ。種まき方法については、別記事でまとめています。
半年の間、きれいな花で楽しませてくれたパンジー・ビオラ。また来年もきれいに咲いてね!
タイミングが合わず、うまく種を取れなかった方は、市販の種を買って栽培チャレンジしてみても◎
ミックスカラーの種は、何色の花が咲くのかわからない楽しみがあるので結構好きだったりします。
まとめ
パンジー・ビオラの種取りは、ちょっとしたコツさえつかめば誰でも簡単にできます。
自家採取の種で増やしていけば、苗・種代の節約にもなりますね。毎年たくさんのビオラやパンジーを育てる私は、たぶん3000円以上は浮いています…!
自分で取った種からは、思わぬ色形の花が咲く楽しみもあるんですよ♪種をたくさん取って自分だけのパンジー・ビオラに出会っちゃいましょう。