観葉植物として人気の高いフィロデンドロン。耐陰性・耐寒性もあって育てやすい品種です。園芸店では定番で、100円ショップの植物コーナーでもしばしば見かけます。
何年間も育ててきたフィロデンドロンについに花が咲いたため、花の様子や咲いたときの様子をレポートします!
フィロデンドロンとは
フィロデンドロン( Philodendron)は、熱帯アメリカ原産のサトイモ科の植物です。
フィロデンドロンの魅力は、なんといっても葉の色や形が豊富なこと!最近人気なのは、美しい縞模様が入るバーキンや、深い切れ込みがたくさんあったセロームなどでしょうか。原産地である熱帯アメリカには500種類以上が分布しているようです。
何年も育てていた100均出身のフィロデンドロンにつぼみが!
学生のときに100円ショップで買って以来、ずっと育てていたフィロデンドロン。卵型の緑色の葉を付ける、ごく一般的な品種です。
水をやり忘れたり、なかなか植え替えしなかったりする私の適当管理でも順調に成長してくれていました。
ある12月の寒い日、フィロデンドロンをふと見ると唐辛子のような物体が付いているのを発見!長さ5cmほどで、太さは女性の手の指ぐらいだったでしょうか。
葉の根元からニョキっと出ていました。
サトイモ科の花は、一見してつぼみや花びらに見える部分は、葉が変化した「仏炎苞(ぶつえんほう)」なのだそう。同じくサトイモ科のカラーやミズバショウなんかがそうですね。
フィロデンドロンの場合は、この赤いものが仏炎苞なのでしょうか。
仏炎苞の中には、本当の花である「肉穂花序(にくすいかじょ)」があるらしいのですが…。この唐辛子の中には何かが入っているのだろうか?
フィロデンドロンにつぼみが付いたときの状況
つぼみらしきもの(仏炎苞)を発見したときのフィロデンドロン全体の大きさはこのくらいです。このときの葉の枚数は全部で20枚弱。
植物の生長がおだやかになる12月だったため、肥料や活力剤は施さず、たま~に水をやるだけの管理でした。
変化と言えば、この年の5月に大きな鉢に植え替えて株が一気に大きくなったことと、2カ月前に引っ越しをして置き場所の環境が変わったこと。日当たりの悪い北西向きの窓辺から、日中は良く日の当たる南向きの窓辺に引っ越してきました。
つぼみを発見してから約3カ月後、ついに開花する
つぼみを発見してから約1ヵ月のようす。
少しずつ膨らんできている感じは見てとれたのですが、ずっと閉じたままでした。あまりにも変化がなかったため、閉じているというよりこれが完成形なのかな?と思い始めた矢先に事件は起こりました。
突然開いたフィロデンドロンの仏炎苞!
つぼみを発見してから約3カ月後のある日の朝、驚きの光景が!なんと、仏炎苞がぱっくりと開いているではないですか!
毎日しげしげと観察していたわけではないので確実なことは言えませんが、前日まで特に変化はありませんでした。(パソコン横の常に視界に入る位置に置いてあるため、たぶん)
この3カ月間、仏炎苞の中では真っ白な肉穂花序が育っていたんですね。赤と白のコントラストがなんとも毒々しかったです。
見た目的に強いにおいを放っていそうなフィロデンドロンの花ですが、鼻を近づけて嗅いでみても無臭でした。
赤い汁が滲みだしてきた…
仏炎苞が開いているのを発見してから数時間後、謎の赤い汁(蜜なのか…?)が肉穂花序から滲みだしてきました。苞の赤色と同じような、鮮やかな赤い液体です…。正体が何なのかは不明ですw
サトイモ科の植物には手や粘膜がかぶれるシュウ酸が含まれているため、触る勇気はありませんでした。触ってはいませんが、見た感じでは粘度が高そうな液体でしたね。
細かい毛が出てきた…
さらに驚いたのは、毛まで出てきたこと!
赤い汁の存在を確認したのちに1時間ほどお風呂に入り、出てきてからもう一度フィロデンドロンを見ると…。細かな白い毛がモジャモジャ生えてる~!なんじゃこりゃ!とびっくり。
赤い汁でもだいぶインパクトがあったのに、白い毛まで出てきていて、私の理解力が追いつきません。汁も毛も、絶妙に気持ち悪いし!(笑)
思わずマクロレンズを出して、接写してみました。たった1時間でこんなに毛が生えてくるなんて、フィロデンドロンはすごいな。
肉穂花序は、小さなお花の集まりらしいです。ミズバショウなんかは肉穂花序の表面がデコボコしているのでわかりやすいですが、このフィロデンドロンもよくよくみたら表面がひび割れています。
この一つひとつが花なのでしょうか?
1日で花は閉じました
翌朝見に行くと仏炎苞はぴったりと閉じ、もとの唐辛子スタイルに戻っていました。まるで、何ごともなかったかのような涼しい顔をして…。
フィロデンドロンの花は1日の命なのですね。ちょうど旅行やお出かけ中だったら見れませんね。
2週間後、ポロリと花が落ちる
衝撃的な開花から約2週間後、フィロデンドロンのほうから何かが落ちたような音が。急いで見にいったら、根元からポロリと取れた花が落ちていました。
突然出てきて突然咲いて、突然落ちたフィロデンドロンの花。一生忘れないでしょう…。
フィロデンドロンの花が落ちたころ、同じサトイモ科の観葉植物アグラオネマにも花が咲きました。仲間の植物なので花の構造は一緒ですが、こちらは1日で閉じたりせず数日間このままの状態です。
ちょっと珍しいかもしれないフィロデンドロンの花、間近で観察できて感動しました。こんなサプライズがたまにあるからこそ、植物栽培はやめられないですね!