イングリッシュガーデンやナチュラルガーデンには欠かせない、ヤグルマソウ(矢車草)。
ブルー・ピンク・紫などのカラーがあるキク科のお花です。満開の時は、それはそれは華やかで人目をひくんですよ!
にも関わらず、栽培にあまり手がかからないので、面倒くさがり屋でもきちんと育てられる優秀な植物なんです(笑)
種から育てるのも簡単で、初心者でも失敗しにくいです。苗を買うより、はるかに安上がりなので本当におすすめですよ。
「種から花を育てたことがない」なんていう方にも、推薦したい植物の一つ。
そこで、ヤグルマソウを種まきから育てる方法を時系列で解説していきます!
霜・病害虫など、実際に経験したトラブルへの対処方法もご紹介するので、参考にしてみてくださいね。
ヤグルマソウとは
ヤグルマソウは、ヨーロッパ原産のキク科の植物。花壇苗・切り花として人気です。
別名はヤグルマギク(矢車菊)。英語ではコーンフラワー(cornflower)と呼ばれています。学名である、セントーレアの名で販売されていることもあります。
さまざまな花色がありますが、特にこの吸い込まれそうなブルーがきれいだなあと個人的に思っています。ヤグルマソウと言われると、この色を思い出す方も多いのではないでしょうか。
もともとは雑草・野草だったともいわれていますが、この花の美しさは古くから人々の心をつかんできました。かのマリーアントワネットのお気に入りだったという逸話もあります。
ヤグルマソウの花言葉は、「繊細」「優美」です。
ヤグルマソウの種はどこで手に入れる?
ヤグルマソウの種は、ホームセンターや園芸店など、どこでも購入することができます。珍しい花ではないです。
私は、近所のホームセンターでアタリヤの「矢車草(平山寒咲き)」を購入しました。価格は200円でしたね。
八重咲き大輪タイプのヤグルマソウで、ブルー・ピンクの2色混合となっています。
ヤグルマソウは品種も豊富で、ネットで探してみたところ結構いろいろな種類を見つけることができました。
タキイのヤグルマソウは、白・紫など混合でカラフルです。
ちょっとお高いのですが、輸入種子のヤグルマソウも見つけました。ブルー系混合です。好み過ぎる色合い…。残りあと4個だって…。買わなきゃ(焦り)
こんなシックな色合いのものも。
このほかにも、気になる品種が多々あったのですが、キリがなくなりそうなのでこの辺にしておきます。ヤグルマソウ(またはコーンフラワー)種で検索すると、いろいろ出てくるので、ぜひリサーチしてみてくださいね。
または、自分で種を採取することも可能です!種の取り方はこちらの記事で。
ヤグルマソウの種まき方法
ここからは、ヤグルマソウの種まき手順を解説していきます!
ヤグルマソウの種子はこちら。大きさは5㎜ほどです。
種まきの時期は?
ヤグルマソウの種の発芽温度は15~20℃ほど。そのため、寒い地域を除いて秋まきが一般的で、9月~11月ごろに種をまきます。
首都圏だと、10月中旬がベストで失敗も少ないでしょう。
なお、3月ごろに春まきもできるようですが、試したことがないのでわかりません。
直まきもOK!発芽させるのは難しくないです
ヤグルマソウは、自分でとった種からでもよく発芽します。
市販の種で有効期限内のものなら、適温・乾燥させないなど基本的なことを守れば、まず失敗しないでしょう。
また、ヤグルマソウは、直まき(花壇やプランターなど開花まで育てる場所に直接まく)でも育てられます。
しかし、我が家の庭は雑草が多く、雑草の芽と区別が付かなくなりそうなので、連結ポットに種まきし、ある程度大きくなったら花壇に定植することにしました。
ヤグルマソウの種まき手順は以下です。
- まき床をしっかり湿らせる
- 1~2㎝ほどの穴をあける
- 種を3~4粒ずつまく
- 軽く土をかぶせる
- 種が流れないように注意しながら水をやる
種をまいてから5日ほど経った、10月20日の様子です。1ポットあたり3~4粒ほどまきました。
芽が出揃うまでは、土を乾燥させないように特に気を付けました。
こちらは10月23日です。全ポット芽が出そろいました。パッケージには発芽率60%以上と記載されていましたが、8割以上は芽が出ましたね。
このくらい芽が揃ったら、1ポット1苗になるよう間引きます。
本葉が4~6枚になったら定植
間引いたヤグルマソウの苗は、ある程度の大きさになるまで、まき床で育てます。
種まきから約1カ月半で、こんなに大きく育ちました。この時、本葉が大体4~6枚です。
このくらいまで育てば、雑草とも区別が付きますよね。
ポットの裏側を見ると、根が元気にはみ出していました。根詰まりは生育不良の原因になるので、このような状態になったら早めに植え替えてあげましょう。
しっかり根が張っているのでスッポリと抜けました。
花壇に定植しました。ヤグルマソウは、上にも横にも相当大きくなるので、株間は30㎝ほどと広めにとってください。
花壇・プランターともに、元肥が必要です。化成肥料でも有機肥料でも何でもいいので、定植前に肥料を施しておいてください。
なお、花色混合の種だと、花が咲くまで何色かはわかりません…。色のバランスが良くなることを祈りながら植えました。
追肥は必要ないが除草を頑張ろう
冬は病害虫も少ないので、順調に生育していくかと思います。
1月17日の様子。だいぶ大きくなりました。
なお、ここまでは追肥は一切していません。元肥のみでも育つお財布に優しいヤグルマソウです。
ただし、雑草取りはこまめにしたほうがよいです。ヤグルマソウが大きくなると下草が取りにくくなるので、このくらいのうちに除草しておくと楽です。
3月26日には、かなり背が高くなりました。
霜・雪によるダメージに気を付けよう
ここからは、ヤグルマソウを育てるうえで注意すべきトラブルを解説します。
寒さには比較的強いとされるヤグルマソウですが、霜や雪が続くと弱ってしまうことがあります。
プランターの場合、真冬は軒下に移動させると安心。地植えなら、最も寒い数日だけでも寒冷紗や不織布で保護してください。
今年は暖冬なので大丈夫かなーと思っていたら、我が家のヤグルマソウも霜にやられ、しおれてしまいました…。
くったりしています。
このあとも寒い日が続くようだったので、不織布で霜よけドームを作り保護。すぐに回復したので良かったです。
しかし、だいぶ暖かくなってきたからと霜よけドームを外したあとに、季節外れ(3月29日)の雪が…!
雪よけを作るヒマもなく、ヤグルマソウはうなだれています。が、雪がすぐにとけたので無事回復しました。
3月末の降雪は例外的なケースですが、一応ご紹介しました。
病害虫にも注意。発生したら早々に駆除
ヤグルマソウは、病害虫が付きにくいといわれていますが、そんなことはありません。普通にアブラムシなどに大人気です(泣)
今年も例にもれず、3月に新芽付近にアブラムシが発生しました。
早めに発見できれば、植物が弱る前に薬剤で駆除できます。私はオルトランDX粒剤を株元にまき、無事アブラムシを撃退しました。
せっかく種から育てたヤグルマソウですから、開花前に枯れることがないよう死守しましょう!
4月から開花スタート。200円でお花畑ができました
前年の10月に種をまくと、約半年後の4月ごろから開花が始まります。
4月10日。いくつかのつぼみが色付いてきました。
ゴールデンウィークごろになると、次々に花が咲いてきます。今回は25株植えましたが、25株とも枯れることなく開花に至りました。
ヤグルマソウの生命力、万歳!本当に強い植物だなあ。
このころには、背丈も150㎝近くに!こんなに背が高いのに、支柱なしでスッと立っています。
矮性種でなければ、かなり背が高くなる植物なので花壇に植える場合は後方がおすすめです。
たくさん花が付くので、切り花にもできます。
庭のスペースの都合上、今回は25株しか植えられませんでしたが、広範囲に群生しているヤグルマソウは本当に見事です。
これはとある公園ですが、1袋200円で買える種からこんなお花畑ができると思うと、とっても夢がありますよね。
色が褪せてきた花は、茎から切り取ってください。ただし、あまり根元のほうをカットしようとすると、脇から出ている花のつぼみを見落として切ってしまうことがあり、注意が必要です。
ヤグルマソウの花の楽しみ方
ヤグルマソウの花は、さまざまな楽しみ方ができます。おすすめの方法をいくつかご紹介します。
茎が長いため、切り花には最適です。ぜひ試してみてくださいね。
- 切り花
- ドライフラワー
- エディブルフラワーとして食べる(無農薬の場合)
まとめ
ヤグルマソウは、種まきからも育てやすい初心者向けのキクといえます。
簡単に栽培できるのも魅力ですが、何より花が美しいので育てがいがあるんです!群生が咲き揃ったときの感動はひとしおですよ。
品種も多いので、ぜひいろいろと試して自分にぴったりのヤグルマソウを見つけてみてくださいね。