2019年9月のオーストラリア・タスマニア旅行で、タスマニア王立植物園(ロイヤル・タスマニアン・ボタニカル・ガーデンズ)に行ってきました。タスマニアの州都ホバートから近く、観光スポットとしても人気の植物園です。
なんと入場料は無料!にも関わらず、タスマニアの固有種など、珍しい植物も見ることができます。広々とした園内をのんびり散歩して、とってもリラックスできる時間でした。
レストランやギフトショップも併設されていて、1日楽しめます。タスマニア王立植物園へのアクセス方法や見どころをまとめてみました。
日本からタスマニアに行く際、乗り換え地となるシドニーにも、歴史ある植物園があります。ぜひこちらも合わせてご覧ください。
春(10月)にはチューリップフェスティバルの会場に
毎年10月中旬ごろにタスマニアで開催される、チューリップフェスティバル。タスマニア王立植物園はフェスティバルの会場になります。
せっかくならこのお祭りに合わせて旅行に行きたかったのですが、残念ながら日程が合わず…。植物園を訪れたのは9月下旬でした。
フェスティバルは開催されていませんでしたが、タスマニアの9月といえば、ちょうど日本の3月ごろでしょうか。チューリップをはじめとした春の花々が元気に咲いていました!
ガーデンの正門から入ってすぐの花壇に、たくさんのチューリップが植えられていました。約2週間後にフェスティバルを控えた花壇には、まだツボミのチューリップもちらほらと。
こちらは、ガーデン内の温室で咲いていたチューリップです。まさに満開で、母と2人であまりの華やかさに目を奪われてしまいました…!
中央に噴水のある温室には、チューリップのほかランやシダ植物などが集まっていました。
14ha(東京ドーム約3個分)と広大なガーデンのマップはこちらです。メインエントランス前のチューリップを楽しんだら、早速ガーデン全体を散策していきます。
オーストラリアならではの植物に目を見張る…!
最近、切り花でもじわじわブームになっているオーストラリアのワイルドプランツ。珍奇な姿と丈夫さ(ものによると思うけど)が魅力ですが、ここタスマニア王立植物園にも数々のオーストラリア原産の植物がありました。
中でも、タスマニアのNative plants(在来植物)は、なかなか見る機会もなさそうだなと思って興味津々。在来種コーナーもあったのですが、季節が悪かったのか、残念ながら花を咲かせているものが少なかったです…。夏のお花が多いのでしょうか?
“xerochrysum bicolor”(カタカナ読み不明…)という、タスマニア原産のキク科のお花が咲いていました。タスマニアの海岸近くの湿地で発見された種のようです。
曇りの日だったせいか、この写真の花は閉じていますが、本来ならもっと花弁が開きます。検索するとパっと開いた写真が出てきます。
こちらは、”pimelea nivela”という、タスマニア固有種の低木。葉が多肉質のように見えますね。葉の先に細かな白い花が咲くみたいです。茎が真っ白なのが面白い!
先ほどのNative plantsの看板に、開花した様子の写真が載っています。ハナキリンのような感じですね。
タスマニア固有種ではありませんが、オーストラリア原産のバンクシア(ブラシの木)も園内の至る所で見られました。日本の植物園でもよく見かけますし、個人で育てているマニアもいるのかな?
赤いバンクシアも。調べてみると、バンクシアにもたくさんの種類があるようですね!オーストラリアでは街路樹として人気なようで、街中でもたくさん見かけました。日本でいうツツジのようなイメージでしょうか。
不思議な花姿が目を引く”Telopea speciosissima”(テロペア・スペキオッシマ)です。こちらもタスマニアの固有種ではありませんが、オーストラリア原産で、ニューサウスウェールズ州の州花なんだそうです!
アボリジニの言葉で「赤い花」をさす、ワラタという別名もあるとか。
やはり州花というだけあって人気も高いのか、後ほどご紹介するギフトショップでもテロペアをモチーフにした雑貨がたくさんありました。このテロペアは、レストラン&ギフトショップ近くに植栽されていたものです。
季節の花々が楽しめる広いガーデン
オーストラリア固有の植物以外にも、各国の草花が集結しています。
ハーブガーデンではラベンダーが満開でした。”Lavandula stoechas”(ラベンダー・ストエカス)、フレンチラベンダーです。
ワイルドフラワーっぽく仕立てられている花壇もちらほらと。こういう雰囲気、好きだなあ…。カンパニュラ系のブルーのお花が見頃でした。手前はクリスマスローズかな?
このお花は初めて見たのですが、すごく気になりました。”moraea villosa”(モラエア・ヴィローサ?)、ピーコック・アイリス。直訳するとクジャクのアヤメですが、確かにクジャクの羽の模様っぽいような!南アフリカ原産だそうです。
ピーコック・アイリス以外にも、さまざまなアヤメがありました。
草花だけじゃない!ユーカリなど自然遺産級の大木も見ごたえあり
ここまで、草花を中心にご紹介してきましたが、タスマニア王立植物園内には樹齢何百年!?と驚いてしまうような大きな木がたくさん生えています。
それもそのはず、タスマニア王立植物園は、1818年に設立されたオーストラリアで2番目に古い植物園なんです!200年を超える植物園の歴史と共に成長してきた大木は見ものです。
ウルムスグラブラ「ルテセンス」の大木。ニレの木ですね。比較対象が写っていないので、サイズがうまく伝わらないのかもしれないのですが、本当に大きいです…。ツリーハウスを2軒くらい建設できそうでした。
ちょうどグリーンの花が咲いていました。
園の北端には、ユーカリの森がありました。写真におさめられないほど背の高い木が何本も!170㎝弱ある母が並んでもこの通りです。さまざまな種類の巨大ユーカリがあり、圧巻でした。
カラフルなタスマニアの野鳥に出会える
植物園では、たくさんの野鳥にも会うことができます。この記事のタイトルの通り、まさに花と鳥の楽園で、鳥が好きな方も楽しめること間違いなしです。
カラフルな鳥好きとしてはたまらない…。珍しいタスマニアならではの鳥もいて、植物そっちのけで鳥探しをしてしまいました。
松林に突如現れた、”Green rosella”(アカビタイキクサインコ)(たぶん…。違ったら教えてほしいです)。ガサガサ音がすると思ったら、こんなにカラフルな鳥さんが…!日本では考えられない光景でした。
タスマニアと、バス海峡諸島(タスマニアとオーストラリアの間)にしか生息していない珍しいインコのようで、別名は”Tasmanian rosella”(タスマニアインコ)です。ペットとしても人気なようですね。
出会えて本当に良かった!鮮やかなブルーが美しい、”Superb fairywren”(ルリオーストラリアムシクイ)のオスを1羽発見。今回のオーストラリア旅行中、最初で最後の出会いとなりました。
ノーマルレンズを装着していた時だったため、まともな写真は撮れませんでしたが、カメラ目線とれたかな?
オーストラリア固有種で、タスマニア亜種もいるそうです。この子はどっちかな…。ちなみに、青い個体がオス、グレーの個体がメスです。このルリオーストラリアムシクイのグッズも、たくさん販売されていました。私はフィギュアとポーチをゲット!
ペットとして大人気の、モモイロインコのペアを見かけました。白い花が咲く草原にたたずむピンクのインコ…。まるでおとぎ話のようです。もう1羽くらいいたかもしれません。
オーストラリアではよく見かける、マグパイ(カササギフエガラス)です!見た目はオシャレですが、人を襲うこともあるそうなので目は合わせないように…。
カルガモの親子にも出会えました!赤ちゃん、マグパイに襲われませんように…。
実は焼津市と姉妹都市なホバート。立派な日本庭園を散策
タスマニア州の州都ホバートは、静岡県焼津市と姉妹都市なんだそうです。今回の旅行中に初めて知ったのですが、どちらも港町で何となく雰囲気が似ているのか…?(焼津市に行ったことないけど)
姉妹都市として提携したのは1977年で、その当時、年間100隻を超える焼津港所属の漁船がホバートの港へ寄港していたことがきっかけになったんだとか。
タスマニア王立植物園内に日本庭園があります。この庭園の近くには、ホバートと焼津市の姉妹都市提携40周年を祝って植えられた記念樹もありました。(おそらくサトザクラという品種の桜)
日本庭園の看板には、謎の「原田」の文字。疑問に思っていたら、この庭園のLand scaper(造園師)が、K.Harada氏だと説明書きがありました。
日本庭園は、池を中心にモミジやツツジがあしらわれていました。地元民らしきシニア層に人気なようで、植物園のどのエリアよりも人が集まっていて、皆さん写真撮影にいそしんでいました。
日本庭園の入り口です。まだ小さいものも含め、桜がずらりと植栽されていました。何年後かには、立派な桜並木になっていそうです。
お花付き!見た目も楽しいランチを食べられるレストラン
一通りガーデンを散策したら、園内のレストランで食事します。レストランは1軒のみで、営業時間は9時30分~16時(ランチタイムは11時30分~14時30分)でした。
こちらのレストランのランチメニューには、何とお花がのっています!植物園らしい素敵な演出にテンションが最高潮に♪
何というメニュー名かは忘れてしまいましたが、ルッコラ風の野菜(やや硬め(笑))に、トウモロコシのかき揚げ的な物・サーモン・サワークリーム・バジルソースがのったお料理です。
オーストラリアの肉肉しい料理に飽き飽きしていたので、野菜中心のヘルシーメニューはありがたかったです。とはいえ、揚げ物が入っているし量も多いので食べ応えは抜群でした!
母が注文したビーフハンバーガーです。こちらも、チリソースに色合いがぴったりなユリらしきお花付き!
価格帯は、ホバート市内のレストランと同じくらいでした。確か、どちらのメニューも15~20オーストラリアドルだった気がします。テーマパーク価格でないのは嬉しいです!
席番号のプレートは、ハオルチアと共に♪
室内・テラス席とありましたが、お昼時はシニアや外国人旅行客で結構混雑していました。窓とテラスからガーデンが一望できる素敵なレストランなので、植物園に来た際はぜひ立ち寄ってみることをおすすめします!
ボタニカルギフトショップでオシャレなお土産を♪
ランチを食べたレストランと同じ建物に、ギフトショップがありました。草花・鳥・動物などをモチーフにしたセンスの良いお土産がたくさん揃っています。
植物園オリジナルグッズもあるので、植物好きな方へのお土産探しにはおすすめのお店です。手袋や植木鉢など、ガーデニング用品もありました。個人的には、植物や鳥関連の書籍が揃っていたのが嬉しかったかなあ。
植物の苗も販売されています!非常に興味深いですが、土も植物も日本に持って帰ることはできないので購入を断念…。
タスマニア王立植物園の行き方・アクセス方法
ロイヤル感のあるタスマニア王立植物園のゲートです。植物園は、ホバート市内中心部から約2~3㎞の場所にあります。Googleマップでルート検索したところ、滞在していたホテル(ザ・ヘンリージョーンズアートホテル)からは徒歩約30分ほど。
歩くには遠いし、道もわからないので今回はホテルuberを利用しました。確か10分以内であっという間に到着したので、ホバート市内からアクセスする場合は、タクシーやuberの利用がおすすめです。料金も安かったと思います。市内から近い場所にあるのは、レンタカーのないツーリストにとって非常にありがたいポイントでした。
ホバート市内を巡る乗り降り自由の観光バス「レッドデッカー」の停留所にもなっています。いろいろな観光スポットを回りたい方には便利かも。
無料駐車場があるので、レンタカーなど車を利用できる方は車が便利でしょう。ホバート国際空港からは、約17㎞です。
タスマニア王立植物園の基本情報
タスマニア王立植物園の基本情報です。
公式サイト
英語ですが、内容が結構充実しているので参考になります。ツアーや展示詳細についても紹介されているので、ぜひ見てみてください!
住所
Lower Domain Rd, Hobart TAS 7000
ホバート近郊で最も大きい植物園なので、タクシーなどでは”botanical garden”とだけ伝えれば、まず間違いなくたどり着けると思います。
開園時間
4〜9月:8時〜17時
10〜3月:8時〜18時30分
レストランの営業時間:9時30分~16時(ランチタイムは11時30分~14時30分)
入園料
無料!
入園に際し、チケットをもらう必要などもなく自由に出入りできます。
まとめ
本当に無料でいいの?と疑ってしまうくらい、美しい花々や貴重な大木の数々を楽しめる面白い植物園でした。オーストラリアならではの珍しい野鳥に出会えるのも◎
ホバート市内から徒歩や車で簡単にアクセスできるので、タスマニアに訪れた際はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。